禁煙がなかなか実現しない背景に精神的な依存があります。タバコを吸うという行為そのものに精神的な依存があるのです。行動心理学的な背景があり、喫煙行動そのものに精神的安定を求めているケースです。ニコチンが体から排除されていけば、ニコチン中毒から自由になります。
ニコチン依存症から解放されてしまいさえすれば、後は喫煙行動そのものを手放すことは簡単にできます。ニコチン中毒の要素が強すぎる場合は、医療機関の禁煙外来を受診して、ニコチン製剤を処方してもらうことで、喫煙行動からやめていき、ニコチンも離脱するという流れで禁煙していきます。ただし、もっとも大事なことは、なぜ禁煙が必要なのかを心底から納得して理解することです。自分の人生の中に、タバコは不要なのだと完全に得心する必要があるのです。禁煙外来のドクターはそういう気持ちになるまでカウンセリングしてくれます。
現在は、黄砂やPM2.5、それに排気ガスなどの有害な空気汚染が日常茶飯事です。その汚染にさらされながら、さらに発ガン物質の塊でもあるタバコに依存しているなど、正気の沙汰とも思えません。喫煙は確実に健康寿命を奪い取るスローモーションの自殺行為なのです。一日も早くまずはタバコをやめていきましょう。タバコの中には発がん物質が二百種類以上も含まれており、慢性気管支炎や慢性閉塞性肺疾患を引き起こし、肺ガンや胃がん、食道癌、大腸癌もおこしてしまいます。一日も早くやめることです。心筋梗塞、脳梗塞、認知症も喫煙によっておこる病気なのです。
精神的な依存をまず手放す必要性があります。人生においてなぜ禁煙が必要なのかを徹底的に理解することが重要です。禁煙外来でもそういったカウンセリングをまず徹底して行っていきます。なぜ、禁煙する必要があるのかを完全に納得できるまで繰り返し、話し合うのです。そうすることで禁煙しようというモチベーションが湧いてきます。これと同じ効果を引き出すような本もあります。そうした本を読むことでも、同じように禁煙の意志を強化していくことができるのです。じっくりと本を読む時間もないという人は、禁煙外来に行く方が早いかもしれません。じかにドクターからいろいろな話を聞くほうが、意識にストレートに入ってくるので、思考を変えていくのには早いといえるでしょう。
禁煙は、ニコチン依存という薬物依存の要素と、喫煙行動そのものへの依存の二種類があります。喫煙行動という行動そのものが精神的依存の対象になるということです。この喫煙行動の部分を別物に代替させてあげるだけで、禁煙が簡単に成功することも多いです。ニコチンを含まないので、ニコチンやタールなどの有害な発ガン物質が含まれていないため健康上の有害性がありません。ただ、タバコのようなものをタバコのように吸い込んでいるだけの話になります。実際のタバコには二百種類もの発ガン関連物質が含まれており、医学的な大規模調査でも肺ガン、大腸癌、胃がん、乳がんはじめあらゆる癌の発生が喫煙によって増加することがわかっています。
これらのリスクから解放されるので、健康に関しては大きな改善が期待できます。しばらく続けているうちにニコチンが体から抜けていくので、やがては喫煙行動そのものへの依存もじょじょに少なくなり、最終的にタバコなしにできる人も多いです。禁煙したい人は、いろいろな方法があるわけですが試してみる価値は十分にあるといえるのです。