うつ状態・うつ病
二週間以上、気分の落ち込みが続いていて、意欲低下もみられる、
集中力も低下している、という場合、うつ病の可能性が高いとされます。
これは、アメリカ精神医学会の「DSM-4」という精神医学の診断基準によるものです。
この診断方法では、病気になる前の性格や、そうなったきっかけを
一切問わず、「どんな症状」が「どのぐらいの期間」持続しているかのみを
判断材料にしたものであり、一部で批判もあるものです。
この方法では、従来は「うつ状態」とされていた人でも比較的、
簡単に「うつ病」の範疇に入れられてしまい、投薬が開始されてしまうという現状の大きな問題点になっています。
従来の診断法では、原因が見つからず症状が重いうつ病を
「内因性うつ病」、大きなストレスとなる出来事が原因でおきるうつ病を
「反応性(心因性)うつ病」、
身体の疾患が原因でおきるうつ病を「身体因性うつ病」そして、
心理的な要因、性格などが原因のうつ病を「神経症性うつ病」と分類していました。
うつ状態もうつ病も、薬物治療以外の方法で改善するケースもあります。
例えば、認知行動療法やACT
(アクト)、催眠療法でも有効な場合があります。
重度のうつ病では内服治療を中心としていくほかないケースもありますが、
それ以外の多くのケースでは、むしろ、カウンセリングや認知行動療法、
内観療法、催眠療法などの心理療法が効果的であることも多いです。
こうしたこともあって、最近ではカウンセリングをとりいれているメンタルクリニックも増えてきています。
保険診療の範囲でカウンセリングが受けられる体制を整えた病院、クリニックも次第に増加しています。
また、病院での医療とは別に、民間のカウンセリングセンターや
カウンセリングサロンも徐々に増えてきています。
しかし、患者さん側には、いまだに薬物が心をコントロールする唯一の道具とする
観念も多く、カウンセリングや認知行動療法、内観療法、および催眠療法などが、
十分に活用されているとはいえないのが現状です。
飲食物や生活習慣による低体温がうつ状態やうつ病の誘因になっているとの
研究もありますし、食事内容によっても、うつ状態やうつ病になりやすい場合が
あることもわかってきています。喫煙もよくないとされています。