分子栄養学で知られる三石巌氏の『高タンパク健康法』に低タンパク食の害について、多くの事例を挙げて解説されています。タンパク質の摂取量を増やすようにすると、うつが改善したり、統合失調症が改善したり、発達障害の症状が改善したり、さまざまなメンタルの不調が解消されることがわかってきました。『高タンパク健康法』に「体重1キログラムあたりタンパク質1グラムとする。体重60キログラムの大人は60グラムということだ。それはプロテインスコアをかけて60グラムとする必要がある」と説いています。プロテインスコア(必須アミノ酸の含有バランス)100の食品は卵です。豚肉90、鶏肉87。牛肉は80です。
毎日卵を五個食べるとタンパク質が補える
体重60キロの人が卵だけでタンパク質を補うなら卵10個必要です。現実の食生活では、主食や野菜から卵2個分ぐらいのタンパク質が取れます。そうすると、卵だけで考えると、体重10キロあたり卵1個となります。つまり、体重50キロの人は、1日、卵を5個食べると、低タンパクになるのを防げる計算となります。豚肉や牛肉の摂取を増やすと鉄分の補充にもなるので、貧血も解消されます。貧血もメンタルの不調を起こす、大きな原因の一つなのです。卵5個を続けるのが大変な場合、食事のバランスで高タンパクにできてきたら、さらにホエイプロテインを活用するとよいでしょう。ホエイとは乳清のことです。乳糖も除去したWPIというタイプがあります。
ホエイプロテインがおすすめ
ホエイプロテインは少量ずつ開始してじょじょに増やすべきで、いきなり大量で開始すると胃腸に負担がかかることもあります。はじめは10gぐらいからトライし、増やしていって、最終的には毎朝20〜30g飲むとよいでしょう。20g×2で朝晩に飲むと効果的です。高タンパク食を心がけることで、結果的に糖質の摂取が減ります。意識的に糖質を減らし、肉類やビタミンの豊富な野菜などを増やすといっそう効果的です。慢性腎不全の患者はタンパク質を取りすぎないよう栄養指導されていますが、そういった疾患を持たない場合、タンパク質の取りすぎの心配はありません。食事から十分量のビタミン類を取ることは非常に難しいので、総合ビタミンやビタミンB群など、サプリメントで補充することでいっそう高タンパク食事療法の効果が出ます。こうした食事療法を日本で指導している精神科医、藤川徳美氏の著作を読むと初心者でも自分で食事療法が行えます。
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