ニコチンは依存性が高い毒物

ニコチンは依存性が高い毒物

神経伝達物質の代用になるニコチンは、それ自体で依存性が高く、依存症になる速度は麻薬やアルコール以上に速い危険な物質なのです。ニコチンが神経伝達物質になり代わるため、ニコチンに依存していくことで中毒になります。

ニコチンが神経伝達物質になり代わる

神経伝達物質の代用になるニコチンは、それ自体で依存性が高く、依存症になる速度は麻薬やアルコール以上に速い危険な物質なのです。ニコチンが神経伝達物質になり代わるため、ニコチンに依存していくことで中毒になります。脳内にある神経細胞をつなぐシナプスでは、神経伝達物質のやり取りで連絡をとっています。神経伝達物質というのは脳が信号を送るための材料で本来は自分自身が分泌している成分です。ニコチンは、脳にあるアセチルコリンという神経伝達物質の代わりに、シナプスに結合してしまう特性があります。すると快楽物質である、ドーパミン分泌を促してしまいます。ドーパミンは快感や意欲の感情をおこす脳内ホルモンです。タバコを吸うと快感、幸福感を感じるのはこの仕組みによっているのです。喫煙者では、アセチルコリンは次第に減少しますので、タバコのニコチンがないと、自分ではドーパミンが出せない体になり、ニコチンが切れると禁断症状が出ます。まさに薬物の奴隷状態です。

 

ニコチン依存症

しかも、タバコのニコチンは一度体に吸い込まれると、その70パーセントしか排泄されません。残り30パーセントは体内に蓄積し続け、さまざまな悪影響を与えます。血液をどろどろにして、動脈硬化を起こします。頭痛、低体温を招いたりもします。ニコチンの七割は肝臓でそのコチニンという物質に代謝され、尿から排泄されますがその結果、肝臓が酷使されて疲弊します。飲酒同様、喫煙は肝臓病の大敵なのです。肝臓は本来は、体の老廃物を解毒して排泄しますが喫煙によってたえず酷使されていれば、その働きは低下します。肉体の老化がどんどん加速するのです。ニコチンは老化促進物質であり、きわめて有害なものなのです。

 

身体的ニコチン依存とは

ニコチンは依存を引き起こし、タバコを吸い続ける状態をつくります。これに対して、タールとはタバコのヤニのことですが、発がん性の高い毒素です。そもそもタールの中にはベンピレン、アミン、NNK、その他の発ガン物質が含まれています。タールが付着することで、喉頭がん、肺がん、食道がんが起こります。血管に動脈硬化をおこしたり血液をどろどろにして、脳梗塞、脳血栓、心筋梗塞などをおこします。肺に入ると癌を発生させるだけでなく、肺組織を破壊して、その結果、肺気腫、気管支炎など慢性呼吸不全を招きます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍なども引き起こすのです。タバコの煙に含まれている一酸化炭素は、吸い込まれると、血液の中の赤血球に付着します。一度付着するとなかなか離れないので、赤血球は酸素を運ぶ仕事ができなくなります。このためまるで貧血の状態と同じように酸素不足がおきて、体力がないカラダになってしまいます。

 

タバコは一酸化炭素中毒

心肺機能が低下する原因の一つは一酸化炭素にあります。酸欠状態は全身におこりますので、全身のすべての代謝が不完全になります。一酸化炭素は血管壁に障害をおこして、動脈硬化を促進します。一酸化炭素中毒で人間は死ぬのです。厚生労働省の研究データによると、禁煙した人の3分の2が、実際に体重の増加があったといいます。しかし、多くは二週間から三週間で体重は安定しているのです。このことは、タバコをやめたことで味覚が正常化し、胃腸機能が回復したことを意味します。体重が一過性に増えても、多くの禁煙者では、その後、体重は安定しているのです。体重は本人の努力次第で増やさないことは可能です。しかし、禁煙しないならば、ニコチンとタールと一酸化炭素が、あなたの健康寿命を奪うのです。

 

禁煙外来

禁煙したいけれどもできそうにない人は、とりあえず、禁煙外来を受診して、相談をすることからとりくんでみることをお勧めします。喫煙は、ニコチン依存症という薬物依存であると世界保健機関(WHO)が定めています。たばこの煙には多くの有害物質が含まれています。シアン化合物もその中には含まれていますし、カドミウムも含まれています。いずれも蓄積すれば寿命を奪う危険な物質です。発がん物質も200種類以上含まれていて、あらゆる癌の発生が喫煙により増加します。こうした事実を具体的な数字を挙げて最新の統計結果などを示しながら、詳しく医師が説明してくれます。

 

禁煙外来の効果

そもそも、喫煙者は癌による死亡のリスクが高まるだけではありません。喫煙によって動脈硬化が促進されるので、血管の壁にこびりつく老廃物が増えて脳血管が詰まり、脳梗塞や脳血管性認知症も引き起こすことが判明しています。また、呼吸器などの疾患も発症します。肺気腫や喘息などの慢性閉塞性肺疾患はタバコが原因で発症します。老化を促進し、老けやすくなることも大きなデメリットです。たばこを吸うと体内に取り込まれる一酸化炭素は、血管壁を動脈硬化させます。タバコがやめられない人は病院の禁煙外来を受診することから始めてみましょう。

 

タバコで細胞がどんどん老化してしまう

不老長寿とはフリーラジカルとの戦いです。体は酸化することで、老化し、それはフリーラジカルや活性酸素によりおきます。これを防止するためには食材の工夫として、ビタミンCやビタミンE、あるいはアスタキサンチンやベータカロテンなどの抗酸化物質を豊富に含むアンチエイジング食材を選択すべきです。野菜や果物、魚介類などがそれですが、できるだけ、無農薬栽培、有機栽培のものが安全です。化学肥料や農薬を多く使用した野菜では、硝酸塩が増加し、これが体内でニトロソアミンンなどの発癌物質を増やします。また農薬はそのものが発癌性を持ちます。最近では木村秋則さんなどの活動で無農薬栽培の技術が普及、多くの安全な野菜が入手できるうようになってきました。

 

タバコは老化促進の毒素として癌を引き起こす

しかし、このような努力をいくら実行しても、禁煙をせず、いつまでも、タバコを吸っているならば、すべてが台無しになります。タバコこそ、フリーラジカルや活性酸素の害を大きくする毒素だからです。タバコを吸うことで、その毒素分解のために体内の酵素などが無駄に消費されてしまいます。その結果、がん予防やアンチエイジングのために細胞修復を行う余力が奪われていくのです。こうして、タバコの発がん物質の影響も重なり、体内に癌細胞がはびこっていきます。細胞の老化で顔や身体の皮膚もしわが増えて、シミやたるみが増えていくのです。老化促進の薬、それがたばこの実態なのです。速やかに禁煙をして、身体を毒素から守りましょう。禁煙外来も増えてきましたので、まずは禁煙外来を受診してみましょう。


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