喫煙によって、乳癌が発生する危険が4倍にまではねあがることがわかっています。たばこを吸う閉経前の女性は、タバコの発ガン物質のために、吸わない人に比べて乳癌の危険性がなんと約4倍まで高まるということが判明しています。このデータは、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で判明したものです。
主任研究者である津金昌一郎さんは国立がんセンター予防研究部長をされています。この喫煙による乳癌の発生は、自分が吸っていなくて、周囲の誰かの吸うタバコの煙でも影響はあります。つまり、受動喫煙でも危険性は上がるのですが、この影響は主に閉経前の女性で明確に出ています。閉経後の女性ではこうした関係はみられなかったため、たばこの影響は、乳がんとかかわりの深い女性ホルモンの分泌が活発な状況下で特に現れやすいのです。30代、40代の女性は特に注意が必要です。喫煙習慣があるならすみやかに禁煙すべきです。
この研究では、40〜50代の約2万人を10年間追跡して判明したデータから、こうした事実が判明しました。受動喫煙の影響については、「喫煙者と10年以上一緒に住んだ」か「職場などで毎日1時間以上煙を吸う機会がある」場合で判断したとのことです。このような環境で日々をくらす女性も多いのではないでしょうか。女性にとっての最大の敵ともいえる乳癌ですが、その乳癌を引き起こす最大の要因が、タバコだということをすべての女性が知っておくべきです。会社経営者は女性がたばこの煙にさらされることのな職場環境を構築する義務があります。
調査開始時に閉経前だった女性において、喫煙しているか過去に喫煙していた人の乳がん発症の危険性は、3.9倍もありました。そして受動喫煙のみの人でも、乳癌の発生の危険性は2.6倍もあったのです。これを知れば、受動喫煙でも危険なのだとわかります。つまり、夫婦で暮らしている場合、夫が喫煙者であるだけで妻は乳癌になりやすいといえるのです。結婚している男性は、パートナーの女性のために禁煙すべきです。これだけの因果関係が証明されているにもかかわらず、タバコを吸い続ける夫は妻を愛していないとさえいえるでしょう。本当にパートナーを大事に思うなら、迷わず禁煙を選択できるはずです。どうしてもやめられないなら禁煙外来を受診してでも禁煙をやり遂げようとするのが、本当の夫婦愛といえるでしょう。
禁煙について、女性の敵はタバコであると知っていても、やめられずに悩んでいる人は多いと思います。なぜ、禁煙ができないのかというと、もっとも大きな要因は、タバコを吸い続けると、精神的にもそれに依存するようになり、身体的にもニコチン依存症になって、薬物中毒者の一種になってしまうからです。そして、吸い続けると、どのような結果が待っているかについて多くの喫煙者は、具体的なイメージがどうしてもできないからです。例えば、タバコの有害成分のなかでも発癌物質は有名です。約二百種類を超える成分が発癌関連物質として、タバコに含まれています。これらの成分は煙とともに肺から吸収されて血液に溶けて全身をめぐり、細胞のDNAを破壊することで癌細胞を発生、いろいろな癌疾患を発症させます。肺癌、舌癌、食道癌、喉頭癌、乳癌、胃癌、膵癌、大腸癌などの癌は喫煙者に多いことがわかっています。
乳癌は喫煙者には、非喫煙者のなんとほぼ四倍も発生し、その他の癌も二倍以上がほとんどです。老化を促進させるので喫煙女性は確実に早く老けます。女性としての魅力も早く失われます。これだけの情報を知っても、まだ吸っていられるのは、例えば、乳癌の治療の苦しみや、例えば、肺癌の苦しさやつらさをなかなかイメージできず、実感できないからです。そうして、病気になってから後悔する女性が多いです。禁煙を成功させるには、病気の症状や苦しみについてよく勉強することをおすすめします。癌のほかにも、喫煙で起きる慢性肺疾患の息苦しさ、生活していくつらさを目の当たりにして詳細に知ると、恐ろしくてタバコは吸えなくなります。自分が喫煙するだけではなく、受動喫煙でも起きる心筋梗塞や脳梗塞の症状や発症後の生活上での苦痛をよく学べば、タバコなどとても吸う気になりません。そういう病気のイメージをしっかりと学ぶことが禁煙成功の一つの方法となります。
タバコは老化促進剤だということを知っていますか?吸い続けていれば、確実に肌が老化し、しみ、しわが増えて、後で大変なことになります。タバコに含まれる一酸化炭素は、肺から血液の中に吸収され、全身にばらまかれます。そして、毛細血管に入り込んで、その血管壁を傷つけ、硬化させます。動脈硬化です。この変化がどんどん進行し、血管からの栄養素や酸素が、末梢の皮膚や臓器に届きにくくなっていきます。肌は老化していき、しわが増えます。しみや色素沈着も増加します。喫煙を続けると、本当に老化が早いですよ。タバコには発がん関連物質が二百種類以上も含まれており、喫煙者には乳がんが三倍から四倍も多いこともわかっています。食道がん、肺癌などあらゆる癌がタバコの成分によって発症します。
タールやカドミウムなどのタバコの成分は、全身に悪影響を与えます。カドミウムは脳に蓄積して精神に有害です。攻撃性、イライラ、不安などの症状を誘発します。もう一つの害毒が、化学合成成分の豊富な毛染めやシャンプーや化粧品です。髪を金髪に染めている女性もいますが、毛染め剤には、非常に強い発癌性のある成分が多数含有されていますが、食品ではないため認可されています。この毛染め剤の成分が頭皮から体内に浸透し、吸収されて、そして、内分泌系や生殖器などへ大きな影響を与えている危険性が指摘されています。このような毒性のことを経皮毒と呼ばれるようになってきましたが、産婦人科医の中にもこの分野での研究を本に書いて世に問う人も出てきています。