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精神神経免疫学
精神神経免疫学という語句は、心(心理学)と、脳(神経病学)、自然治癒力(免疫系)の三つの学問分野を統合したものです。
そして自然治癒力という体に備わった本来の癒しの力を呼び覚ます方法を研究するものです。
心と体をつなぐシステム(系)として、自律神経系、中枢神経系、神経ペプチド化学伝達物質系の三つが存在しています。
自律神経系は、互いに相反する二つの神経である交感神経と副交感神経の働きです。交感神経は、心拍を早くして、血圧上昇をもたらし、体内でのエネルギー産生(糖新生)を促進する作用です。
副交感神経系は、この反対の働きを持ち、心身のリラックスを促進します。
ストレスを受けると、交感神経系が活性化することで、これに対処しようとします。
心身の休息の際には、副交感神経系が活性化しているのです。
中枢神経系は、脳から全身の各部分へ神経線維を伸ばしています。脳で筋肉を動かす指令があると、その意図が電気的神経インパルスになって、その部位へ到達することになります。
こうして初めて、腕や足が動くのです。
神経ペプチド化学伝達物質系は、神経ペプチドの働きによる心身のコントロールを行っています。神経ペプチドという物質は、脳細胞および全身のいろいろな細胞で産生されている物質です。
神経ペプチドを介して、脳は、全身の免疫系やホルモン系を動かし、体もまた同様の化学伝達物質としての神経ペプチドを産生することで脳細胞を活性化させているのです。
脳内で産生されている神経ペプチド(化学伝達物質)は、特定の精神状態によって、増えたり、減ったりしていることもわかってきました。
思考や感情、とくにストレスのイメージや、うつ状態、怒りや敵意などのマイナス感情が、こうした化学伝達物質の産生に大きなマイナス影響を与えていたのです。
そして幸福感、喜び、安心、満足などのプラスの思考や感情もまた、プラスの影響を与えることで神経ペプチド(化学伝達物質)の産生に好影響を与えているということがわかりました。
つまり「病は気から」と言われてきたことが科学的にも説明できるようになってきたのです。
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